令和5年度事業計画

令和5年度事業計画

 令和4年度の我が国経済は、引き続き新型コロナウイルスの断続的な感染拡大に見舞われ、
深刻な打撃を被った。足元では小康状態となり、本年5月には感染法上の分類が季節性イン
フルエンザと同じ5類に引き下げられ、様々な行動制限が大幅に緩和される見通しである。
また中国によるゼロコロナ政策が撤廃され、我が国のインバウンド観光の底上げやサプライ
チェーンの復活も見込まれることから、新型コロナウイルスとの共存・共生を図りつつ、
社会・経済活動が正常化に向かうことが期待されている。

 一方では世界的なエネルギー、原材料価格の上昇や円安を背景に記録的なインフレが進行
しており、家計や企業活動に大きなマイナスの影響を与えている。
 当地域経済においても緩やかに持ち直しているとされるが、コロナ禍の長期化による企業
体力の消耗や仕入れ価格、人件費等のコストが上昇し、収益を圧迫している。また夏以降ゼロ
ゼロ融資の返済が本格化し、売り上げも十分に戻っていない状況で、廃業や倒産の増加が懸念
されている。  
 
 このような中、当商工会議所では相談窓口の充実を図り、きめ細かな資金繰り支援や経営上
の諸課題対応など、企業経営の安定と継続を下支えする。また補助金や交付金など、国や関係
機関の各種制度の周知と斡旋に努めて参りたい。
 また地域の持続的な発展を図るための産業基盤の整備促進や原材料の高騰などコスト上昇分
の転嫁対策等について、関係機関に要望する。

 カーボンニュートラルをはじめとする企業のSDGs経営やデータ、デジタル技術を駆使した
ビジネスの再構築(DX)への取組は、今や世界的な潮流であり、多くの中小企業においても今後
強く求められることが想定されるが、人材やノウハウ等の不足が指摘されており、国や関係
機関等の施策に沿って、鋭意支援する。

 さらに10月には消費税インボイス制度が導入されるが、小規模零細企業では準備の不足が
見られ、制度の周知と対応を後押しする。
 特に小規模事業者については、個々の企業経営に伴走する形でビジネスプランの作成や
具体化、販路開拓などへの取り組みを継続して支援し、経営の強化改善を図る。

 会議所活動の根幹である部会活動については、業種・業界の発展に資するため引き続き
活発な活動を促進する。また西条市の将来像を探る「西条市の将来を考える委員会」、周桑
商工会等との交流を通して地域経済の活性化を図る「経済団体との交流委員会」についても
積極的に活動を進めることとしている。
 財政基盤や組織の強化については、会館の適正な維持管理を図り会館の稼働率を高めると
ともに、各種共済の普及を図る。併せて事務局職員の企業支援能力の向上を図る。